フランス料理文化センター主催、メゾン・モンス共催にて、11月9日に「二人のMOFチーズ職人による チーズ講習会」が開催され、生産地域や季節、熟成期間などによって広がるコンテの味わいの多様性をテーマに、講義が行われました。
講師を務めたのは、チーズ熟成士として初のフランスMOF (国家最優秀職人賞) を受章したエルベ・モンス氏と、同じくMOFの称号を持つエティエンヌ・ボワシー氏。約40名のチーズ愛好家が参加したこのセミナーではまずモンス氏が詳しくコンテと土壌及びそこに生育する草花の関係について次のように解説しました。
「コンテはフランス人にとって最も重要で、フランスで最も多く食べられているチーズ。地元のモンベリアード牛は、夏はフレッシュな草花、冬は夏の間牧草地で刈られた草の干草を食べて育つため、季節によってコンテの風味が変わります。またコンテの生産地域の標高は200〜1,500m以上と幅があるため、牧草地によって生えている草花も異なり、それがミルク及びコンテの風味にも反映されます。」
モンス氏はさらに、「コンテチーズ生産者協会とブザンソン大学の共同研究によると、コンテAOP生産地域内で調査したエリアの約70%は、水はけが悪く常に表面に水分を含む土壌でした。同地域内からは合計400種類以上の植物が見出されており、土地によって自然の草花の種類も変わりますが、酪農家たちは経験上、牛をどこに連れて行けばよいのか知っているのです。」と続けました。
その後、メゾン・モンス熟成の、同時期に別のチーズ工房で作られた約14ヶ月熟成の3種のコンテのテイスティングが行われ、参加者はそれぞれの味と香りの違いに大いに驚かされました。同郷のジュラワインとのマリアージュも好評を博し、その後ボワシー氏が提供したのは、「コンテと生ハムのアミューズ」。コンテとトマト、バジル、ローストアーモンドと生ハムの絶妙なハーモニーは、料飲関係者も多い参加者の良い刺激となったようです。
モンス氏は最後に、「チーズは長く熟成させれば良いというわけではありません。長く熟成させると、香りや味は強くなりますが、アミノ酸の結晶によって食感がザラついてしまいます。理想的なのは、チョコレートのように硬さがありながら、口に入れるとスッと溶けてしまうような食感です。我々熟成士にとって、コンテひとつひとつの、香り・味・食感のバランスが取れた最適な熟成期間を見極めるのが重要な仕事なのです。」とまとめました。
コンテチーズ生産者協会は、両氏のセミナーによって、日本の愛好家の間でコンテの理解がさらに深まったと期待しています。
「コンテ」は、フランス東部のジュラ山脈一帯にて職人が丹精をこめて作っている熟成ハードチーズ。生乳と塩で作る自然そのままの味わいと豊かな風味が魅力。
フランス産AOP(原産地呼称保護)チーズの中でNo.1の生産量を誇り、フランスでは朝食からおやつ、料理やワインのお供にと、子供から大人まで広く親しまれています。日本でもチーズ愛好家の間で大変人気があります。
「コンテ」は、フランス東部のジュラ山脈一帯にて職人が丹精をこめて作っている熟成ハードチーズ。生乳と塩で作る自然そのままの味わいと豊かな風味が魅力。
フランス産AOP(原産地呼称保護)チーズの中でNo.1の生産量を誇り、フランスでは朝食からおやつ、料理やワインのお供にと、子供から大人まで広く親しまれています。日本でもチーズ愛好家の間で大変人気があります。